前立腺は、膀胱と陰茎の間に位置する男性固有の器官で、精液の一部を作る働きを持っています。年齢とともに肥大した前立腺が尿道を圧迫し、さまざまな排尿症状をきたす疾患を「前立腺肥大症」といいます。前立腺肥大症は年齢と深い関係にあり、40・50代で症状が出始め、60歳を過ぎると半数以上の人が夜間頻尿や排尿困難を訴え、65歳前後で治療を開始する人が多くなります。前立腺肥大症がさらに悪化すると尿閉(尿が全く出なくなる)、膀胱結石、細菌感染、腎機能障害をきたすこともあります。
前立腺肥大症には下記のような検査があります。
前立腺肥大の治療には、内科的治療(薬物療法)と外科的治療があります。一般的に軽症の方には内科的治療を行い、薬物療法に効果のない方には外科的治療を行います。
α1ブロッカー、PDE5阻害剤、5α還元酵素、抗男性ホルモン剤、抗コリン剤、抗ムスカリン剤、漢方などが用いられます。
経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、温熱療法、尿道ステントなどがあります。