看護師
多角的な視点から 治療の継続をサポートします
外来看護師
日本の骨粗鬆症患者数は、約1,280万人と言われています。
そのうち治療を受けているのは、20%程度。また、骨粗鬆症の薬物治療は治療開始から1年で、約50%の患者が処方通りに服薬できておらず、5年以内に50%が脱落すると言われています。
当院では、骨粗鬆症治療率をあげるために、脆弱性骨折の方には積極的に骨粗鬆症検査を勧めています。また、骨粗鬆症の危険因子である生活習慣病・糖尿病患者さまにも骨粗鬆症検査を勧められる様、当院の糖尿病・内分泌内科と連携しています。
検査結果で薬物療法が必要となった場合は、定期的に骨粗鬆症検査を行い、再評価しています。患者さまに適した治療方法を選択し、無理なく治療継続できるよう努めています。
入院看護師
大腿骨近位部骨折/圧迫骨折パスに、骨粗鬆症治療薬やDEXAが組み込まれており、患者さまに薬剤の作用と内服方法の説明、DEXA の結果説明を行っています。
今後は、骨粗鬆症リエゾンチームで作成した骨粗鬆症予防の指導動画を試聴してもらい、大腿骨近位部骨折/圧迫骨折の患者さまのご家族には骨粗鬆症外来への案内を行い、1次骨折予防を行っていただけるよう、活動していく予定です。
薬剤師
包括的に処方をアドバイスします
骨折患者の二次骨折率は高く、急な骨粗鬆症薬の処方開始が必要となります。
当院ではクリニカルパスにも骨粗鬆症治療薬が組み込まれていますが、薬剤科では処方監査時に持参薬・投薬歴から重複していないことを確認し、また腎機能・血清カルシウム値の確認を行い投与量の評価を実施しています。
さらに病棟看護師や診療録から、嚥下能力、認知機能、座位がとれるかなどの情報を収集し、適切な薬剤が選択されているかの評価、必要時は薬剤変更などの提案を行っています。
1カ月製剤・4週間製剤を服用している場合にも意図しない処方漏れがないよう、薬剤料にて1つのカレンダーを用いて情報共有・確認を行っています。
管理栄養士
食から骨の健康を支えます
骨粗鬆症の予防・治療には食生活が大きく関わっています。
骨の健康にはカルシウムの摂取は重要ですが、それだけでなく、骨の形成に関わるビタミンやエネルギーを過不足なく摂ることも大切です。入院患者さまへは、病態に応じた栄養管理や栄養指導を、また外来では希望される方に、随時栄養指導を行っています。
診療放射線技師
主に骨密度検査を担当しています
骨密度検査はベッドに横になるだけで痛みもなく、腰椎、大腿骨、前腕骨などを短時間で測定する検査となっています。さらに、被爆も非常に少ない検査です。
骨密度検査によって次のようなことが分かります。
- 骨折を起こす前の骨減少症や骨粗しょう症の発見
- 将来、骨粗鬆症に罹患するリスクの予測
- 定期的な測定による骨量減少速度の評価・治療の有用性
早期に骨粗鬆症の傾向が分かれば、治すための治療計画が立てられますので、早期発見・早期治療が大切になります。
理学療法士
リハビリの中で理学療法士が担う役割
リハビリ(PT)では、運動療法による1.骨密度改善と、2.転倒予防を、骨粗鬆症・骨折予防として啓発・指導することが主な役割となります。
具体的には、啓発用のパンフレット・院内広報などへの投稿や動画作成、外来・院内患者さまへの運動能力評価・指導、また院外活動として、地域住民の方々への講演会などを行っています。
記載・指導内容は、骨のリモデリングや骨密度改善の簡単なメカニズム紹介、転倒要因となる筋力低下やバランス低下についての簡単な説明をし、個人毎に評価した運動能力にあわせて、学会より推奨されているスクワット・片脚立位を中心とした運動療法を指導しています。
作業療法士
より早い生活への復帰をサポート
手首の骨折、橈骨遠位端骨折と診断された患者さまは将来、骨折を繰り返す確率が高いと言われています。術前から作業療法を開始し、機能回復が図れるよう、使える手・働く手の獲得を目指します。
身体の治癒・回復過程に応じて、具体的な生活動作の評価はもちろん、運動機能評価・転倒リスク評価も行い、経過にあわせた治療・生活指導を行っています。
地域医療連携室
地域医療連携の役割
地域医療連携室では、近隣医療機関よりご紹介いただいた際の、外来・検査の予約対応をしております。骨粗鬆症専門外来への予約、外来を通らない直接の検査予約にも対応しており、開業医の先生方の要望に沿った形でご案内しております。
地域の先生方と連携し、骨粗鬆症の治療を地域で推進してゆきます。