[PROFILE]
在宅サポートセンター センター長 森 清
高校生時代に読んだ本の中で、マザーテレサは「あなたの存在こそが喜びの知らせなのです」と述べられました。「強さは仕えるために、弱さは分かち合うために」と申しますが、わたくしはひとりひとりの弱い人とともにある存在になりたくて医学部を志しました。学生時代は、神はなぜ障害をつくられたのかと悩み、大学に手話研究部を創ったり、手話通訳にも挑戦いたしました(朝日新聞社主催 第2回手話によるスピーチコンテスト 優勝)。最近書いた本は「自分らしい最期を生きる ーセルフ・スピリチュアルケア入門ー」(教文館)、「ひとりでも最後まで自宅で」(教文館) ですが、その後に出版した「多職種で支える
一人暮らしの在宅ケア」(南山堂)は、東大和市長と武蔵村山市長に推薦していただけました。地域包括ケアシステムの発展により両市の地域が理想郷となるような街づくりをしたいと思っております。たのしい雰囲気の中でこそ、創造的な発想ができると思っております。在宅医療の多くの問題は、マニュアルや理屈では解決できません。多くの仲間と同志とともに、創造的に共になやむことによって、多少でもみなさまの力になればと思っております。最近、多くの仲間たちとともに第1回日本在宅医療連合学会を開催し、成功いたしました。これからは、いくつかの問題は解決できなくとも、その問題が解消されるようなアプローチができることを理想としたいと思っております。
歳をとると、家事などを若い時と同じようには行えないものです。徐々にそうなった方もおられれば、病気によって日常生活が、ゆっくりとなら れた方もおられるかもしれません。通院していた病院に通うことが簡単ではなくなったとき、訪問診療ははじまります。癌を患ったり、脳梗塞 などを患ったりしても、自分の家に居たいと思うことは普通のことです。病気が進んでも、痛みや息切れも感じたくはありません。最期まで自分らしく、自宅で生きることは、私たちの権利なのだと思います(参考「自分らしい最期を生きる ーセルフ・スピリチュアルケア入門ー」教文館)。私たちは、みなさまの自立支援・主体回復を応援したいのです。病気を持ち、歳をとって生活することには、リスク(危険)はつきものです。それらを減らす努力を行いつつも、リスクを十分に承知され、自己責任を負われている生活者は多くおられます。望む方には、安心して最期まで御自宅で自分を生きること、それを応援いたします。
通院が困難になった方を対象に訪問診療をいたします。病気や障害によって、ひとりでは病院や診療所に行くことが難しくなってきた方方のお宅へ、医師が伺います。訪問看護師・ケアマネジャーたちとチームを組み、御家族と相談し、治療やリハビリなどの方針を決めます。御家族がおられない場合には、時には担当の市役所の職員さん等と相談することもあります。
訪問診療の必要はまだ大丈夫と言う方方も、ご自宅での生活に困難がある場合には、ヘルパーさん/訪問介護(居宅介護支援事業所)からの応援を受けることをお勧めしております。生活での御苦労をどのように考えたらよいのか、わからない方も多いと思います。そのような方方には、訪問看護(訪問看護ステーション、訪問看護ステーション武蔵村山サテライト)やケアマネージャーさん(東大和病院ケアサポート、武蔵村山病院ケアサポート)に相談をされることをお勧めします。「生活の処方箋」をいただけると思います。相談をすべきかどうかもよくわからないと言う方には、地域の地域包括支援センター(東大和市高齢者ほっと支援センターなんがい、武蔵村山市北部地域包括支援センター)に行かれるか、お電話することを勧めております。現在では、ほとんどの高齢者には介護予防/リハビリテーションが必要です。通所・訪問による介護予防をみなさまに勧めております。在宅サポートセンターホームページをご覧ください。