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脳卒中を予防する!外科的治療の役割について

東大和病院 脳神経外科 上條 貢司

 脳卒中は脳血管が詰まったり、破れたりすることによって脳細胞が死んでしまう疾患です。突然手足の力が入らなくなったり、痺れたり、ろれつ回りが悪くなったり、激しく頭痛や嘔吐が出現したり、急に倒れて意識がなくなったり、更には即死する場合もあります。現在、日本人の死因の第3位で、総患者数は137万人にも及び、年間13万人もの方が亡くなっています。(グラフ1)
 脳卒中は「脳梗塞」、「脳出血」、「クモ膜下出血」の三つに分けられ、脳に行く血管が詰まったり、狭くなったりして血流が悪くなることで脳細胞が死んでしまうのが「脳梗塞」(図1)、脳内の細い血管が破れることで脳細胞が壊れるのが「脳出血」(図2)、脳の表面の比較的太い血管に出来た瘤(脳動脈瘤)が破れて症状を出すのが「クモ膜下出血」(図3)です。

図1
図2
図3

 脳卒中の危険因子には、一般的には高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、不整脈(心房細動)などがあり、中でも高血圧の管理が最も重要とされています。特に脳内出血は高血圧の関与が大きく、以前は脳卒中の中では脳出血の占める割合が最も高かったのですが、近年は高血圧の管理が以前に比べて厳密になってきたことで、その割合は減ってきています。その反面、脂質異常症や糖尿病などが増えたため、脳梗塞の割合が約70%と最も高くなっております(グラフ2)。我が国の脳卒中の中で最も多い「脳梗塞」と、その予防に外科的治療が重要な役割を果たす「クモ膜下出血」に関して解説します。


頭痛を含め症状のある方は、脳ドックではなく、脳神経外科、脳神経内科の一般外来を受診ください


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